大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1726 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人神田静雄の上告趣意第一点前段について。

記録に徴するに、原審証人Aの供述記載は、所論被告人の自白を補強するに十分

価値あるものであることが認められるから、論旨は採ることができない。

同第一点後段について。

記録によれば、被告人は昭和二三年一一月二一日現行犯人として逮捕され、その

翌日である同月二二日既に司法警察官に対して自白しており(記録四丁)次いで同

月二三日勾留の執行を受け、その継続中の同年一二月二三日の第一審第一回公判廷

で更に自白を繰返したものであることが認められる(次いで同月二八日保釈出監)。

右の経過に徴すれば所論被告人の自白は、決して所論のように不当に長い拘禁後の

自白であるとの関係は認め難いから論旨は理由がない。

同第二点について。

所論は刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らないばかりでなく、酌量減軽をする

や否やは原審の載量事項に属するところであるから(尚記録によれば被告人には窃

盗二犯の前科がある)、論旨は採るを得ない。

尚本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由ありとは認められない。

よつて、刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見によつ

て、主文のとおり判決する。

昭和二七年二月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

- 1 -

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!